総合問題演習 signal_cellular_alt 難易度 3 schedule 50分

第2問対策(帳簿記入・勘定記入)- 20点中15点を確保する攻略法

簿記3級試験の第2問(帳簿記入・勘定記入)で安定して得点するための戦略を学びます。勘定記入、補助簿、伝票問題の解き方とコツを習得しましょう。

学習目標

  • check_circle第2問の出題形式と配点を理解する
  • check_circle勘定記入問題の解き方をマスターする
  • check_circle商品有高帳の記入方法(先入先出法・移動平均法)を習得する
  • check_circle伝票問題の起票方法を理解する
  • check_circle10-15分で15点以上を安定して取れる

第2問の重要性

簿記3級試験において、第2問は帳簿記入・勘定記入のセクションです。配点は20点で、試験全体の5分の1を占めます。

第2問の配点構成

第1問(仕訳問題): 45点
第2問(帳簿記入・勘定記入): 20点 ← このセクション
第3問(決算整理・財務諸表): 35点
━━━━━━━━━━━━━━━━
合計: 100点(合格ライン70点)

第2問は第1問(仕訳問題)や第3問に比べると配点は低めですが、15点以上を確保することで合格が大きく近づきます

第2問の特徴

  1. 出題パターンが限られている: 勘定記入、補助簿、伝票の3パターンが中心
  2. 対策すれば得点しやすい: 解き方のコツを掴めば安定して点数が取れる
  3. 完全に捨てるのは危険: 第1問や第3問でミスした場合、第2問の得点が合否を分ける
  4. 時間対効果を考える: 10-15分で10-15点を取る戦略が重要

第2問の出題形式

問題数と配点

  • 小問数: 2問(問1と問2)
  • 1問あたりの配点: 10点
  • 合計: 20点

主な出題パターン

第2問では、以下の3つのパターンから2つが出題されます。

パターン1: 勘定記入問題

  • 総勘定元帳のT字勘定への記入
  • 特定の勘定科目(前払費用、未払費用、減価償却累計額、法人税等など)の記入
  • 前期繰越、次期繰越の処理

パターン2: 補助簿記入問題

  • 商品有高帳(先入先出法、移動平均法)
  • 固定資産台帳
  • 現金出納帳、当座預金出納帳
  • 売掛金元帳、買掛金元帳

パターン3: 伝票問題

  • 3伝票制(入金伝票、出金伝票、振替伝票)
  • 5伝票制(上記 + 仕入伝票、売上伝票)
  • 伝票の起票、集計

目標点数と時間配分

目標点数

12-15点以上(60-75%以上の正答率)

満点20点 × 60% = 12点
満点20点 × 75% = 15点
→ 2問中、少なくとも1問は完全正解を目指す

現実的な戦略:

  • 得意なパターンの問題は確実に満点(10点)を取る
  • 苦手なパターンの問題でも部分点(5-8点)を拾う
  • 完全に捨てるのは避ける(0点は致命的)

時間配分

10-15分で2問を解答

問1: 5-7分
問2: 5-7分
見直し: 2-3分
━━━━━━━━━━━━
合計: 10-15分

試験全体の時間配分(おさらい):

第1問: 15-20分(最優先)
第3問: 25-30分(優先度高)
第2問: 10-15分(ここ)
見直し: 5分
━━━━━━━━━━━━
合計: 60分

推奨される解答順序:

第1問 → 第3問 → 第2問 → 見直し

第1問と第3問は配点が高いため、この2つを確実に仕上げてから第2問に取り組みましょう。第1問対策で学んだように、第1問で40点、第3問で25-30点を取れば、第2問で10点取るだけで合格ラインに到達します。


頻出問題パターン

パターン1: 勘定記入問題

頻出度: ⭐⭐⭐⭐⭐(ほぼ毎回出題)

よく出題される勘定科目:

  • 前払費用、前受収益、未払費用、未収収益(経過勘定
  • 減価償却累計額(減価償却
  • 仮払法人税等、未払法人税等
  • 貸倒引当金

解き方の流れ:

  1. 勘定科目の性質を確認: B/S項目(資産・負債)かP/L項目(収益・費用)か
  2. 前期繰越を記入: 期首残高を借方または貸方に記入
  3. 当期の取引を記入: 問題文の取引を時系列順に記入
  4. 残高を計算: 借方合計 - 貸方合計(または逆)
  5. 次期繰越を記入: 決算日の残高を反対側に記入

重要ポイント:

  • B/S項目(資産・負債)は次期繰越がある
  • P/L項目(収益・費用)は損益勘定へ振替
  • 前期繰越と次期繰越の位置を間違えない

パターン2: 商品有高帳

頻出度: ⭐⭐⭐⭐(よく出題される)

記入方法:

  • 先入先出法(FIFO): 先に仕入れた商品から順に払い出す
  • 移動平均法: 仕入れの都度、平均単価を計算し直す

例(先入先出法):

4/1  前月繰越  100個 @500円 = 50,000円
4/10 仕入      200個 @550円 = 110,000円
4/15 売上      150個
     → 100個 @500円 = 50,000円
     → 50個 @550円 = 27,500円
     合計 77,500円

例(移動平均法):

4/1  前月繰越  100個 @500円 = 50,000円
4/10 仕入      200個 @550円 = 110,000円
     → 平均単価 = (50,000 + 110,000) ÷ 300 = 533.33円
4/15 売上      150個
     → 150個 @533.33円 = 80,000円(端数処理)

詳しくは商品有高帳で復習しましょう。

解き方のコツ:

  • 先入先出法: 古い在庫から順に出庫
  • 移動平均法: 仕入のたびに平均単価を再計算
  • 端数処理に注意(円未満四捨五入など)

パターン3: 伝票問題

頻出度: ⭐⭐⭐(時々出題される)

3伝票制:

  • 入金伝票: 現金の入金取引
  • 出金伝票: 現金の出金取引
  • 振替伝票: 現金以外の取引

5伝票制:

  • 上記3つ + 仕入伝票 + 売上伝票

例(3伝票制):

取引: 商品100,000円を掛けで販売した。

→ 振替伝票
   借方:売掛金 100,000 / 貸方:売上 100,000
取引: 商品80,000円を現金で仕入れた。

→ 出金伝票
   仕入 80,000(借方は省略されることがある)

詳しくは3伝票制で復習しましょう。

解き方のコツ:

  • まず取引の仕訳を考える(頭の中で)
  • 現金が関わるかどうかで伝票を選ぶ
  • 一部現金取引は分解して複数の伝票に起票

勘定記入問題の詳しい解き方

ステップ1: 勘定科目の性質を確認

自分に問いかける:

  • この勘定科目は資産?負債?収益?費用?
  • B/S項目(資産・負債)か、P/L項目(収益・費用)か?

B/S項目とP/L項目の違い:

項目次期繰越決算時の処理
B/S項目(資産・負債)あり次期繰越を記入
P/L項目(収益・費用)なし損益勘定へ振替

:

  • 前払費用 → 資産(B/S項目)→ 次期繰越あり
  • 支払利息 → 費用(P/L項目)→ 損益勘定へ振替

ステップ2: T字勘定の基本構造を理解

T字勘定(総勘定元帳)の形式:

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ○○勘定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
借方(左側)          貸方(右側)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前期繰越   XX,XXX    取引の記録  XX,XXX
取引の記録  XX,XXX    次期繰越   XX,XXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
合計      XXX,XXX    合計      XXX,XXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

重要なルール:

  • 借方合計 = 貸方合計(必ず一致)
  • 資産の増加 → 借方、資産の減少 → 貸方
  • 負債の増加 → 貸方、負債の減少 → 借方
  • 収益の発生 → 貸方、費用の発生 → 借方

ステップ3: 前期繰越を記入

前期繰越とは: 前会計期間から繰り越された残高のこと。

記入のルール:

  • 資産の勘定科目 → 借方(左側)に記入
  • 負債の勘定科目 → 貸方(右側)に記入

:

問題: 前払保険料の期首残高は15,000円である。

前払保険料勘定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
借方                  貸方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前期繰越   15,000

ステップ4: 当期の取引を時系列順に記入

注意点:

  • 問題文の取引を順番通りに記入
  • 日付に注意(決算整理前か決算整理か)
  • 相手勘定科目も記入する(問題の指示に従う)

:

問題: 4/1に保険料60,000円を1年分現金で支払った。

前払保険料勘定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
借方                  貸方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前期繰越   15,000    4/1  保険料   15,000
4/1  保険料   60,000

※期首の再振替仕訳: 前期の前払分を費用に振り替える


ステップ5: 決算整理を記入

決算整理とは: 期末に適切な利益を計算するための調整処理。

例(前払費用の計上):

問題: 決算日は12/31。保険料の未経過分(1/1~3/31の3ヶ月分)を前払保険料に計上する。

計算: 60,000円 × 3ヶ月/12ヶ月 = 15,000円

前払保険料勘定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
借方                  貸方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前期繰越   15,000    4/1  保険料   15,000
4/1  保険料   60,000
12/31 保険料  15,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
合計       90,000    合計        15,000

ステップ6: 次期繰越を記入

次期繰越とは: 次の会計期間に繰り越す残高のこと。

記入のルール:

  • 借方が多い場合 → 貸方に「次期繰越」を記入
  • 貸方が多い場合 → 借方に「次期繰越」を記入

:

前払保険料勘定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
借方                  貸方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前期繰越   15,000    4/1  保険料   15,000
4/1  保険料   60,000    12/31 次期繰越 75,000
12/31 保険料  15,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
合計       90,000    合計        90,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1/1 前期繰越 75,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※次期繰越の金額は、借方合計 - 貸方合計(ここでは90,000 - 15,000 = 75,000)


頻出の勘定科目別のコツ

経過勘定(前払費用・未払費用など)

前払費用:

  • 期首: 前期繰越を費用に振り替える(再振替仕訳)
  • 期末: 未経過分を前払費用に計上

未払費用:

  • 期首: 前期繰越を費用に振り替える(再振替仕訳)
  • 期末: 未払分を未払費用に計上

詳しくは経過勘定で復習しましょう。

減価償却累計額

特徴:

  • 資産のマイナス勘定(評価勘定)
  • 貸方残高(負債のように扱う)

記入例:

減価償却累計額勘定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
借方                  貸方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                    前期繰越  200,000
                    12/31 減価償却費 50,000
                    次期繰越  250,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
合計       250,000    合計       250,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                    1/1 前期繰越 250,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

詳しくは減価償却で復習しましょう。

法人税等

仮払法人税等:

  • 中間納付した法人税を記録
  • 決算時に確定した法人税と相殺

未払法人税等:

  • 確定した法人税のうち、未払いの部分

ケアレスミスを防ぐ方法

よくあるケアレスミス TOP5

1位: 前期繰越と次期繰越の位置ミス

原因: 借方・貸方を間違える

対策:

  • 資産の勘定科目 → 前期繰越は借方、次期繰越は貸方
  • 負債の勘定科目 → 前期繰越は貸方、次期繰越は借方
  • 次期繰越は「残高を反対側に記入」と覚える

2位: 合計金額の計算ミス

原因: 電卓の打ち間違い、足し忘れ

対策:

  • 必ず電卓を使う
  • 借方合計と貸方合計が一致しているか確認
  • 見直し時に再計算

3位: 商品有高帳の払出単価ミス

原因: 先入先出法と移動平均法を混同

対策:

  • 問題文で指定された方法を確認
  • 先入先出法: 古い在庫から出庫
  • 移動平均法: 仕入の都度、平均単価を再計算

4位: 伝票の選択ミス

原因: 現金取引かどうかの判断ミス

対策:

  • まず仕訳を考える
  • 現金が関わる → 入金伝票 or 出金伝票
  • 現金が関わらない → 振替伝票

5位: 日付の読み間違い

原因: 問題文をよく読んでいない

対策:

  • 決算日、取引日を確認
  • 年をまたぐ場合は注意
  • カレンダーを頭に思い浮かべる

ミス防止のチェックリスト

問題を解き終わったら、以下を確認:

✅ 第2問 チェックリスト

  • □ 勘定記入: 借方合計と貸方合計は一致しているか?
  • □ 勘定記入: 前期繰越と次期繰越の位置は正しいか?
  • □ 商品有高帳: 先入先出法か移動平均法か確認したか?
  • □ 商品有高帳: 払出単価の計算は正しいか?
  • □ 伝票: 現金取引かどうか正しく判断したか?
  • □ 伝票: 入金・出金・振替を正しく選択したか?
  • □ すべての欄に記入したか?(空欄はないか)

時間配分の実践テクニック

10-15分で2問を解く戦略

タイムスケジュール:

0-7分: 問1を解く(得意なパターンを選ぶ)
7-14分: 問2を解く
14-15分: 見直し

問題の優先順位をつける

優先度A(得意なパターン):

  • 自分が得意な問題から解く
  • 例: 勘定記入が得意なら勘定記入から

優先度B(苦手なパターン):

  • 後回しにして、時間が余ったら取り組む
  • 完全に捨てるのではなく、部分点を狙う

戦略:

  1. 問1と問2をざっと見て、得意なパターンを選ぶ
  2. 得意な問題は7分以内で満点を目指す(10点)
  3. 苦手な問題は残り時間で部分点を狙う(5-8点)
  4. 合計15点以上を確保

練習方法

効果的な学習ステップ

ステップ1: 各パターンの基礎を固める

ステップ2: 時間を計って解く

  • 各問題を5-7分で解く練習
  • タイマーを使って本番同様の緊張感で

ステップ3: 間違えた問題を復習する

  • なぜ間違えたか原因を分析
  • 同じミスを繰り返さないようメモ

ステップ4: 模擬試験で実力チェック

  • 本番形式の問題を解く
  • 目標は15点以上

おすすめの練習量

  • 初学者: 各パターン10問以上
  • 経験者: 各パターン5問以上

1日の練習量:

  • 勘定記入 2問 + 商品有高帳 2問 + 伝票 2問 = 6問
  • これを1週間続ければ42問

第2問で高得点を取るための最終アドバイス

1. 得意パターンを1つ作る

第2問は3つのパターンから2つが出題されます。最低でも1つの得意パターンを作っておけば、10点は確実に取れます

おすすめの得意パターン:

  • 勘定記入(頻出度が高い)
  • 商品有高帳(計算方法がパターン化されている)

2. 完全に捨てない

第2問を完全に捨てる(0点)のは非常に危険です。なぜなら:

第1問: 40点(目標)
第2問: 0点(捨てた場合)
第3問: 30点(目標)
━━━━━━━━━━━━
合計: 70点(ギリギリ合格)

第1問や第3問で少しでもミスをすると不合格になります。

第2問で10-15点取れば安心:

第1問: 36点(少しミスしても)
第2問: 15点(第2問で稼ぐ)
第3問: 25点(少しミスしても)
━━━━━━━━━━━━
合計: 76点(安全圏)

3. 時間配分を守る

第2問に時間をかけすぎると、第3問の時間が足りなくなります。

時間配分の鉄則:

  • 第2問: 最大15分まで
  • 15分経ったら、未完成でも第3問に移る
  • 見直し時に戻ってくる

4. 部分点を意識する

勘定記入や商品有高帳は、部分的に正解していれば部分点がもらえることが多いです。

部分点を取るコツ:

  • 完璧に解けなくても、できるところまで記入する
  • 特に前期繰越、当期の取引は確実に記入
  • 次期繰越の計算ミスがあっても、途中までの記入で部分点

まとめ

このレッスンでは、簿記3級試験の第2問(帳簿記入・勘定記入)で安定して得点するための戦略を学びました。

重要ポイント

  • check_circle第2問は20点で、2つの小問から構成される
  • check_circle目標は12-15点以上(60-75%以上)
  • check_circle時間配分は10-15分、1問あたり5-7分
  • check_circle頻出パターン: 勘定記入、商品有高帳、伝票
  • check_circle勘定記入: 前期繰越 → 当期取引 → 次期繰越の流れを理解
  • check_circle商品有高帳: 先入先出法と移動平均法を正確に
  • check_circle伝票: まず仕訳を考えてから伝票を選ぶ
  • check_circle完全に捨てるのは危険: 最低1つの得意パターンを作る
  • check_circle推奨解答順序: 第1問 → 第3問 → 第2問

次のステップ

第2問の対策ができたら、次は第3問対策(決算整理・財務諸表)に進みましょう。第3問は配点35点の重要セクションで、精算表や財務諸表の作成問題が出題されます。しっかり対策すれば25-30点は確保できます。